動物と人の共生 - ヤマザキ学園大学 比較腫瘍学研究室

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19.02.04 カテゴリー:今月のひとこと

今月のひとこと 2019年2月

『女と男』

生物としての男と女には、とてつもない違いがあるように思える。先の動物医療現場のよもやま話に書いたマギーズセンターの活動を観ると、ほとんどは女性がリーダーシップを発揮し、男性の影は薄い。
 女性は妊娠・出産・育児を身を以て実践し、現代においてもすべての野生動物と同様な体験をする。種の保存は、生物として不可欠な原始的営みである。全人的ケアの現場に女性が多いことは、生きることへの営みに自然体で対処できることと無関係ではあるまい。
 男は現代社会において、狩猟や農耕という原始社会の営みとは異なり、多くの男性は会社という自然とは隔絶された空間で仕事をし、神経をすり減らす。家族のために働いた仕事人間の定年後は、場面の変わった別世界であり、生物としての生命力は弱い。そのような状況により、マギーズセンターのどう生きるかという活動には男性が少なく、女性が主導している所以であろう。
 超高齢社会になって、男性も定年後20年は生きる。女性の生物としての強さを見習い、どう生きるかを生物学的視点に立って考え直すべきであろう。