動物と人の共生 - ヤマザキ学園大学 比較腫瘍学研究室

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18.10.07 カテゴリー:動物医療現場のよもやま話

動物医療現場のよもやま話 2018年10月

「動物看護系大学臨床教員の使命を考える」

わが国の動物看護系大学は岡山理科大学を含め9大学に増えてきており、現状での動物看護学教育研究のミニマムリクアイアメントは、動物看護師統一認定試験の受験資格を得るためのコアカリキュラムに集約されている。一方、動物看護師の職務の範囲は未だ不明確な側面があることは否めず、わが国の動物看護学の体系化も今後の課題となっている。
 そういう状況の中で、動物看護系大学教員の使命を考えることは、今後の動物看護学の体系化に向けた試金石となる。もちろん、動物看護系教員は基礎から臨床までの分野をカバーする教員を要することになるが、ここでは主体となる臨床系教員について的を絞ってみる。

 動物看護学の教育研究の内容は、動物医療チームの一員としての動物看護知識と技術、および動物看護独自の分野の知識と実践に大別できるものと考えられる。したがって、動物看護系大学臨床教員の使命は、これら2つの分野にまたがる教育研究を網羅すべきであろう。
 動物看護系大学9大学中3大学は獣医学部の中に併設されており、いずれの大学も獣医療の関連補助専門家の養成を全面的に謳っている。動物看護師の国家資格化を目指す時、動物医療関連専門家の養成とともに、実はもう1つの分野である動物看護独自の専門分野の確立が不可欠ではないだろうか。
 国家資格というものは、それ自体独自の職務権限や社会貢献のできることが求められている。