「動物看護大学の果たすべきヘルスケアとは」
メディカルケア、ヘルスケア、ソーシャルケアは動物看護の3つの柱である。
その中でヘルスケアは、動物看護が主体となってリーダーシップを発揮できる分野である。ヘルスケアは動物の健康維持・健康増進、さらには病気の予防を網羅する広くて重要な分野である。そのような分野に貢献することが動物看護の役割の一つであり、実践的かつ具体的なノウハウを提供できることが求められている。言い換えれば、科学的根拠に基づいた実践的かつ具体的なノウハウを蓄積していくのが動物看護学と言っても良いであろう。
ヘルスケアは動物自体が対象となるけれども、伴侶動物においてはその仲介者(保護者)である飼主を含めて初めて成立する。動物看護学の高等教育機関として、動物看護大学はどのようにして科学的根拠に基づいた実践的かつ具体的なノウハウを蓄積していくべきであろうか。
医学および獣医学系大学には、実践的かつ具体的なノウハウの蓄積の場として附属病院の設置が義務付けられている。動物看護大学においても、そろそろ社会に開かれた実践の場としての施設が設置されても良い時期になってきていると感じる。それを具体化するために議論される経験は、きっと発展途上にある動物看護学の体系化につながるであろう。