動物と人の共生 - ヤマザキ学園大学 比較腫瘍学研究室

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19.01.15 カテゴリー:今月のひとこと

今月のひとこと 2019年1月

『ワーク・ライフ・バランスと職業に貴賤はなし』

医師、特に大学病院の勤務医の超過勤務は膨大な時間となっており、ワーク・ライフ・バランスの観点から超過勤務の削減が求められている。医師は人の命を預かる特別な職業、何時いかなる時も緊急事態に対応しなければならないという義務がある。
 昨今、女性および複数年の浪人生は入学試験において差別されていることが問題視されているが、基本的に医師になるためには学力が優秀でなければ大学医学部には入学できない。高校の進学相談では、学力がトップクラスの高校生はまず医学部進学を勧められると言っても過言ではないであろう。
 学力優秀で人の命を預かる、そのために大学では6年間勉強し、一人前になるために生涯研鑽を重ねるという医師は、社会的に様々な点で優遇されている。一方、日々の肉体的および精神的負担は大きい。特に一人一人の医師のがんばりに依存する診療体制下では、超過勤務は常識を超えるものになっている。そのような状況の中で、家族への思いやりや心の穏やかさは生まれるであろうか。
 ここまで医師を例に挙げて述べてきたが、どのような職業においてもワーク・ライフ・バランスは人生を生きる上で不可欠であり、常に自問自答すべき大切な事柄であることには間違いない。それから、「職業に貴賤はない」ということ、例えば医師を特別視することの間違い、1世代前の賢者は“医者は一度に一つの命しか殺せない(救えない)が、電車の踏み切り番は一度に多くの命を殺せる”、だとさ。