動物と人の共生 - ヤマザキ学園大学 比較腫瘍学研究室

新着情報

18.02.05 カテゴリー:動物医療現場のよもやま話

動物医療現場のよもやま話 2018年2月

「動物看護実践教育の総仕上げは病院実習である」

動物看護系大学は来年度の加計学園岡山理科大学獣医学部動物保健看護学科を加えて9大学となる。動物医療の一端を担う動物看護師の教育は、医師や獣医師と同様に実践力が期待されている。といって卒業後すぐに一人前になることはできない。長年勉強と経験を積んで初めて一人前になるが、社会に出た時の基本的実践力は習得済みであることが求められている。

実践教育については、医学および獣医学教育において改革が行われている。大学における臨床教育の主体は、実際の臨床の知識や技術の習得になるが、手順としてビジュアル教材やモデル、マネキン、シュミレータ等の代替物の活用を経て、通常は大学附属病院で臨床現場の体験実習を行う。
 獣医臨床教育では病院実習の前に実験犬などを使用する実習を行うが、動物の愛護と福祉の観点からその役割と適用は減少している。ヒト臨床教育では“実験人間”なるものは存在しないのに、臨床教育は成り立っている。獣医臨床教育も“実験犬”を使用せずにできるのではないかという発想である。そのためには、病院実習の充実が不可欠であり、卒後研修も重要な役割を果たしている。

動物看護の実践教育も同様で、最終段階の病院実習をどのようにして充実させるかが最重要課題となっている。その意味で動物看護系大学の質の保証は、附属病院の規模と運用に依存することになる。